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「でも、やっぱりなんだか申し訳ないな…。」
なんて…視線を下げる恵は今から自虐的なことを言う。
そんなの、長年一緒にいるから表情の変化ですぐに分かる。
「要、貴重なオフ日…私に使って本当に良かったの?」
「…」
そう首を傾げて聞いてくる恵は小さく微笑んでいて。瞳の奥は、不安と期待が入り混じった綺麗な色に染まる。
あー、尊い。
俺がどれほどお前を愛しているかも知らずに…常に俺の気持ちを測るお前が…何物にも変えられないくらい、心底尊い。
恵にグッと顔を寄せて、顎を掴む。
驚いたように僅かに目を開いた彼女にフッと笑みを見せて、優しく唇を塞いだ。
「バーカ。俺の休日の使い方にケチつけてんじゃねーよ。」
「…」
「これが俺の最高の休日だ。いいから黙って俺に付き合え。ブス」
「…、」
ブス、なんて酷いこと言われてるのに恵は嬉しそうに微笑む。
このドM。ここは怒ってもいいとこなんだぞ?
何とかスケジュールを空けられたのは今日一日だけ。
次にこうやって一日中恵と過ごせるのはいつになることか…。
そう思えば、一分一秒が名残惜しくて…。
あーあ、明日も休みたい。
なんてこと言ったら、真面目な恵は俺に幻滅するかなぁ。
心の中でため息をつきながら、恵の肩に甘えるようにコテンと頭を乗せた。
「…恵、体力戻ったらもう一回しよー。」
「…は?!」
「明日からはLUSHの要に戻るから…今日でちゃんと充電させろよ?」
要side
〜Inハワイ〜
ーendー
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