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……バシャン…
「え、え?!要?!」
「…」
しばらくして…。俺は後ろから水面にダイブして。
「要…大丈夫?!」
「…」
心配した恵は恥ずかしがっていたのなんか忘れてプールに入水すると、俺の元へ駆け寄ってくる。
別に、溺れたわけじゃない。
ただ、プカーっと体を浮かせて、現実逃避に空を見上げていただけだ。
しかし、「熱中症?!」なんて勘違いしている恵に肩を掴まれ、地に足をつけると…、
「…ごめんね、私が遅かったから…、」
「…」
さっき見たのは幻ではなかったのだと思い知る。
は、なにこれ、可愛すぎ。天使じゃん…、
機能性だけに特化した黒のセパレート水着なんかじゃない。
ちょっと大きな波でもくれば攫われてしまうんじゃないかというほど布面積の少ない水着は、恵の白くて華奢な体に良く似合っていて…。
フリル付きの白い水着の間から覗く谷間。
普段は降ろしているサラサラの黒髪は今日は後ろにすっきりとまとめていて。細く長い首が強調されるせいか…いつもより美人度が増している気がした。
…なにこれ、意味分からねぇ。
だってこいつ…スーツケースにダッセェ水着入れてたじゃん…、
困惑して一言も話さない俺を相変わらず心配そうに覗き込む恵は、ひたすら可愛い。
本当、瞬間瞬間、余すことなく、食えるくらい、可愛い…。
「お前、その格好…どうした。」
「え?…ああ、水着?」
ようやく声に出して尋ねると、恵はワンテンポ遅れてから、両手で胸元の白いフリルを引っ張って首を傾げた。
俺の視界で無意識にそんな可愛いポーズを取る恵を、脳内カメラで撮影しまくって…なぜ今ここに本物のカメラがないのか…と、自分の準備不足を恨む。
…まじで、なにをしても可愛い。
世界で一番、プールが似合う女だ…こいつ。
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