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『あー…』
一度マイクを口元に向けたが、グッとマイクを握る手に力を入れて押し黙る。
私にはあんなだけど…ファンに対しては真摯に向き合っていることを知っている。
私を彼女にしなかったのは…私だけじゃなく、ファンを少しでも守るためでもあったのかもしれない。
『いつも、俺を…LUSHを応援してくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
今回の報道で裏切られたと感じている方もいるかもしれません。』
ゆっくりと丁寧に言葉を紡いでいく要。
要の…ファンを思う気持ちが、仕事を大切にしている気持ちが…どうか伝わりますように。
私のせいで…要の真っ直ぐな思いが疑われませんように。
そんなことを願いながら、私は手に汗をかいて要を見守ることしかできない。
『…LUSHの長谷川要の一番は、いつでも…ファンの皆さんです。それはこれから何があっても変わりません。きっと…これはメンバー全員の思いです。
ですが…、
…ひとりの人間、長谷川要としての一番は、昔からただ一人です。
一生変わることはありません。
ただの…人としての幸せを、どうか俺に叶えさせてください。』
小さく微笑んでから、深く頭を下げた。
パシャパシャと相変わらずシャッター音が響いているが、会見が始まった直後のピリピリとした空気は消え、和やかな祝福ムードが漂っていた。
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