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それから、アタシは毎晩見知らぬ男性に次々と犯されていった。
喘ぎ声が聴きたいという理由で猿轡は外されたけれども、結局躰は縛られているので身動きは取れない。
アタシを犯していくのがタランチュラの関係者だということは分かっていた。半グレ集団と聞いていたけれども、顔を見る限り人相が悪いとは思えない。むしろ無垢そうな少年が多かった。
そして、とうとうタランチュラのリーダーと思しき人間に犯されることが決まった。
何処にでもいそうなサラリーマン風の男性。
それが盛山定輔だと教えてもらったのは古谷君が確保に来てからだった。
盛山定輔に犯されると決まって、アタシはようやく解放された。流石に躰を縛られた状態で犯すわけにはいかないのだろう。
数日ぶりに解放された躰。けれども、どうせアタシは犯されるんだ。
アタシはここから逃げ出すことも考えていた。けれども、盛山定輔が発する威圧的な禍々しいオーラの前ではアタシは立ち竦むことしか出来なかった。
アタシの服が脱がされていく。
盛山定輔も服を脱いだ。
アタシの花弁の中に黒い蛇が入っていく。
その時だった。
パトカーのサイレンが鳴り響いた。
虚ろな目で見つめた先には、手錠を持った古谷善太郎がいた。
古谷善太郎の姿を見て我に戻ったアタシは盛山定輔の股間をイニエスタのシュートのように思いっきり蹴り上げた。
意識を失う盛山定輔。その手には手錠がかけられていた。
「盛山定輔、お前をわいせつ、強制性交等の疑いで逮捕するッ!」
こうして盛山定輔は逮捕された。しかしそれは半グレ集団としての逮捕ではなく、レイプ犯としての逮捕だった。
翌日、アタシは警察病院の産婦人科で妊娠してないかどうか確認してもらった。
幸いにも、妊娠等の兆候は確認できなかった。
あれだけ犯されてよく妊娠しなかったなと思った。
監禁されていた期間は5日間。そしてアタシを犯した人間は10人ぐらいだった。
古谷君の母親が強姦による妊娠が発覚して自殺したと聞いていたので、もしもアタシが妊娠していたら堕胎か自殺も考えていた。
「古谷君、正直あの時は自分が死ぬことも覚悟した。今回の潜入捜査、これは失敗なんでしょうか?」
「いいや、潜入捜査自体は成功だ。しかし、まさか君が犯されるとは思わなかった。」
「結局バタフライもハミングバードも黒い霧の中に包まれてしまいましたね。一応わいせつ行為で盛山定輔は捕まったけれども、あくまでもわいせつ行為での逮捕であってタランチュラの尻尾を掴んだ訳では無い。私はこれからもタランチュラという集団を追っていこうと思う。」
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