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夜明けの早朝
私は、梨愛という。フルネームでは田中梨愛だ。私は、お母さんとお父さんが事故で死んでしまい、代わりの人に育ててもらっていた。が、もうそんな生活は嫌になった。私は1人でどこか遠い島に行きたいなと思って誰にも気付かれぬように夜明け、および早朝にベッドからそっと顔を出して出かけた。が、私は、人生の道を大幅に間違えたらしい。てぶらで来たことを本当に後悔している。いや、手ぶらでは無かった。ロケットを首に下げていた。そのロケットは、縦の楕円形で、ワンタッチで開く仕組みだ。中には、亡くなったお母さんと私が写っている。その写真は、セピア色だ。私はこのロケットをどこへ行くにも大事に首に下げていた。それにしても、さむい。もう7時なので家に帰ると見つかってしまう。
あ〜ぁ。ブランケット1枚ぐらい持ってくりゃ良かったなあ…
と、私はずっと頭の中で考えていた。よく考えると、もしかしたら代わりのお母さんが探しに来るかもしれない。今日は、ここのあまり外から見えにくそうな崖の木陰で休む事にした。もう、日がくれて、はるか遠い地平線の向こうの海に、日がキラキラしながら沈んでゆく。私は、木陰で目をつぶりながら考えた。私は竹富島に向いたいのだと言う事を。朝、起きたら、私は寝袋の中に入っていて、枕もとには、飲み物食べ物とハブラシが置いてあった。私は、
あれ〜?こんな事を誰がしてくれたのかな?
と、考えた。とりあえず歯を磨いて顔を近くの川で洗って、その食べ物たちを食べた。
「ふぅ」
と、私は一段落ついて落ち着いた。それにしても何であんな事が起きたのだろう。そうだな…理由を考えると、他に誰かがここに来てついでに置いていってくれたのかもしれない。とりあえず私は、その一日不思議な気分だった。
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