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「おはよう!神無月さん。」
お喋りしていた人達の中から一人声を掛けてくる人がいる。
このアパートの管理人さんだった。
年齢は、四十代位なのだろうか。
初めて会った時に年齢を聞かないのは当たり前だけど、何故かあの男が知っていた。
どんな手を使ったのだろう、想像はしたくはないけれどね。
毎度の如く、大人しく目立たないふりをしなければならない。
鞄を両手に持ちながら降りていき、お喋りをしている人達へ歩いていく。
「皆様、おはようございます。」
ペコリと頭を下げて挨拶をする。
「………………本当におとなしいのね。」
管理人さんの後ろからボソリと声が聞こえてくる。
すみません、そうでもしないとあの男から何をされるかわからないので。
顔が引き攣るのをなんとか堪える。
「天谷さん。失礼でしょ?」
管理人さんが振り返り、後ろにいる人へ声を掛ける。
「ご、ごめんなさい。(なんで、私が叱られなければいけないの?)
管理人さんにはペコリと頭をさげる。
が、頭を上げた時に、私をジロッと睨んでいた。
怖っと思いつつ見てみぬふりをする。
それを見ていた管理人さんは、はぁと深い溜息をつく。
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