0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさいね。朝から変な所を見せてしまって。」
振り返った管理人さんはふわりと柔らかく笑う。
後ろでは凄い形相の顔で私を睨んではいたけれど。
「このままじゃあ、彼女達納得はしないと思うの。それで、良ければ提案なんだけど、お姉さんを会わせてあげないかしら?それだったら彼女達も納得すると思うの。どうかしら?悪い話ではないでしょ?」
後ろにいる女性達をチラっと見つつ、にっこりと笑う。
「え?」
「まあ、不動産に話を聞いたら、どういう女性かわかると思うけど。でもね?それじゃあ、彼女達が納得はしないと思うのよ。お姉さんに相談してみてね。あ、ほら時間!遅刻しちゃうわ。」
戸惑う私を他所に管理人さんはあいも変わらずにこにこと笑顔だ。
えっと、お姉さんなんていません、なんて言えばまた良からぬ噂が広まる。
実はお兄さんと住んでいますと言うしかないのかな。
あの男を連れてくるの?
頭が痛くなってきた。
「ありがとうございます。では、近いうちに姉と相談してみます。」
ペコリと頭を下げて管理人さんの横を通る為に歩いていく。
まあ、私の後ろでは、ぎゃあぎゃあ騒いでいるのが聞こえたけど。
最初のコメントを投稿しよう!