お姉さんの姿は?

5/17
前へ
/17ページ
次へ
学校までの道のりがやけに遠く感じる。 「お姉さんねぇ。」 溜息を吐きながら呟く。 私にはお姉さんはいない。 もちろん、家族もいないんだけど。 ある日、突然、あの男から今日からここに住む事になったからと言われたのが今住んでいる場所なんだけども。 半年住んでいて、トラブルは一度もなかった。 ただ疑問に思う事があるのよね。 あの男は、毎日私の家に出入りしているのに、誰にも見つかっていない。 まあ、なにか特殊な事を使っているんだとは思うけど。 例えば、何回されても慣れない首からカブリと牙を刺して血を飲むのは私だけじゃないはず。 もしかして、アパートの誰かの血を飲んでいて、記憶を消す。 仮に顔を見られたとしても襲えばわからないはず。 ほら、見たなーーー!って言ってカブリとする。 いただきます、なんて言っていたりもあるのかも。 あのイケメンすぎるあの男に襲われても、やっぱり女性は怖がるのかな。 わ、私は。 思い出しただけで顔が赤くなるのがわかった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加