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「どんな悪霊ですか? きのう俺が視た限りでは動物霊っぽい感じがしたんですけど」
凶悪な顔つきの、犬か猫のような動物霊が視えた。人間ではなくても顔つきが悪い霊はたちが悪い。
「ああ、キツネだ。すばしっこそうだな」
怜央にはキツネと判別できるほどはっきり視えなかった。さすがに霊媒師は違う。
「今は背中に憑いているが、キツネは除霊中に逃げ回って頭に入り込むことがあるんだ」
「頭!? 頭に入られたらどうなるんですか?」
「気が狂う」
ゾッとした。どうやらとんでもない悪霊に憑かれている。
「心配しなくても、うまく除霊してやるよ」
「は、はい。お願いします」
緊張する怜央の背中に龍牙の右手が触れた。背中の中心をゆっくりと撫でられる。マッサージを受けているようで気持ちいい。そう言えば子どもの頃も、背中を何度か撫でられた後、あっけなく除霊は終了した。今回も似たような感じかなと思っていたら、肩や腕も撫でられ始めた。
「おっと、やっぱりすばしっこいな」
「ど、どういうことですか?」
「悪霊が怜央の体内に潜り込んだ。大丈夫、頭には入らないように追い出す」
龍牙の手が前へ回ってきた。背中から抱かれる格好で胸元を撫でられ、怜央の鼓動が高鳴る。
ちょっと、これは……変な気分になりそう。
「チッ、動き回るんじゃねえ」
「すみません」
「いや、怜央じゃなくて悪霊な。悪いが少し我慢しててくれ」
龍牙が着流しの裾をまくり上げ、両足を広げて怜央の体を背中からがっちりとホールドした。彼の胸板が背中にピタリと添い、耳元では息づかいが聞こえる。バックハグされているのと同じだ。なんだか情欲が煽られる。頭がのぼせる。額に汗が滲む。
こんなの、やばい。早く終わってくれ。でないと……。
脇腹を撫でられ、思わず「ひっ」と声が出た。くすぐったいというより、感じてしまった。手のひらが乳首をかすめ「ん……」と吐息も漏れる。龍牙は肌の上から手で悪霊を補足するつもりらしく、懸命に追っている。確かに体内で何かがぐるぐると動いており、情欲と気持ち悪さで怜央は唸った。
「大丈夫か?」
「は、はい。んんっ……」
悪霊が腰まで降りて来た。そして下腹部へ。ヘソの周囲から内股を撫でられ、浴衣の帯が解ける。端から見れば背後から愛撫されて悶えているように見えるだろう。
だ、だめだ……。冷静になれない!
怜央の下半身が疼き、中心に力がみなぎった。ボクサーパンツの中で情欲が形となって現れ、龍牙の手が止まった。
「怜央……」
「あ、いや、これはっ」
焦って気持ちを落ちつかせようとしたが、益々太く、固くなるばかり。羞恥で体中から汗が噴き出た。すると悪霊の気配が事もあろうに、屹立した中心に移動した。
「おや?」
「う、嘘だろ!?」
龍牙が中心の膨らみをじっと見つめる。
「ふむ、ここからなら悪霊をうまく追い出せそうだな」
「へ!? ここから!?」
「俺が擦ればやつは出てくると思う。やってもいいか?」
「え? え? こ、擦るって、嘘でしょ?」
「迷ってる暇はない。やるぞ」
「えぇぇぇ!」
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