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数日前に交わした会話を思いだす。
「頼みたいことがある。 君にしか、できないことだ」
飲み慣れた常連たちで賑わうパブのカウンターテーブル。
紫煙の立ち込めるなか、教授は胸ポケットから一枚の書状を取り出して、
「中身を確認するのは店を出てからの方がいい。 内務省からの知らせだ」
「内務省から‥‥‥ 一体何の」
わたしがそう言って眉間に皺を寄せると、教授は言葉を探るように暫く黙り込んでからこう切り出す。
「君も研究者なら、生きているうちに”本物”をその目で見たいとは思わないか」
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