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神からも人からも見捨てられ、放置されてきた産業都市の外側。
土砂交じりの瓦礫とヘドロと汚臭が横たわる夢遊病者たちの街。
貸間長屋に暮らす一家の惨状を知っているだろうか。
彼らはぼろをまとい、殆どは裸足だ。
夫は定収入がなく、いまわしい皮膚病にかかっているがそれでも朝早く起き、布袋を背負って通りを行く。そうしなければならない。
彼は屑拾いなのだ。
妻は夫を待たない。探さない。二人の仲は険悪だった。彼女はさっそく子供を家から追い出すと、真昼間から男を招き入れて2、3ペンスを稼ぐために体を売る。
家を追い出され、放置された子供はどうなるか。決まっている。
街を彷徨い、ギャングか物盗りかそれ以下に身を落とすのだ。
果てしなく続く暗闇。希望などない。
持たざる者は暴力と脅迫と、雑音と嘆きが生み出す窮屈に耐えながら、屑のような扱いに甘んじるしかない。
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