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二人の稼ぎ
翌日、晴れやかな空を拝むことなく、ダンジョン内で目を覚ます。隣には裸の女性ドラゴニュート、戦闘奴隷が眠っていた。
「ご主人様より遅く起きるとは、良いご身分だな。起きろ、帰るぞ」
二つの大きな山脈が目立つので、片方を揉み下して起こす。
「何であんなにアタシの弱い所を、的確に攻められるんだよ・・・」
何回も果てさせた結果か、疲れが取りきれなかったようだな。
「俺が意識した相手は丸裸同然なんだよ。弱点なんか手に取る様に解る」
「認識阻害じゃねえぞ、それは」
「厳密には違うと言っただろうが。説明が面倒なんだよ。阻害は効果の副次的なものだ」
「糞が、端から勝負にならないじゃねえかよ。底意地の悪いご主人様だ」
「勝たない勝負をする筈がないだろうが。俺を受け入れた時点で勝敗は決まっていたんだよ」
「まだ身体が怠い。もう少し休ませてくれ。不意を衝かれたら反撃できねえ」
「なら朝の準備運動に、お前の双子山を使わせてもらうぞ。栄養補給も出来て一石二鳥だぞ」
「昨日あんだけして、まだ残っているのかよ。絶倫だなご主人様は」
特に嫌がる素振りを見せなかったので、俺はバナナを取り出し股がる。二子山にバナナがしっかりと収まる。やはりデカイな。
バナナを挟み込んで少し乱暴に二子山を動かす。自らも腰を振って運動を開始。手と腰の筋肉両方が鍛えられて中々に良い運動だな。
滴る程に汗が出始めた頃、俺はバナナミルクを絞り出して、栄養補給を促す。
「んぐ、ごく、ぷはあ。出し過ぎだ。拭くのも怠いから、乾いたら顔が大変な事になってそうじゃないかよ」
「仕方ない、拭いてやる」
俺は零れてへばり付いたミルクを丁寧に拭き取る。拭いた布は焚き火にくべて燃やす。匂いが移らない様に扇いで煙を向こうに逃がす。
燃え尽きた後で焚き火に薪をくべてから、鍋を上に設置して汁物を作る。朝食は干し肉を煮込みに混ぜて味付けした物。
ダンジョン内で水は貴重だが、帰る時なら使いきっても問題ない。味が濃いものを適当にぶちこんだ男飯。
硬いパンも浸せば柔らかくなり、食べやすくなる。お椀を二つ用意して汁物を注ぐ。味見はしたが食えなくはない程度で、美味しいかは好みが別れる栄養重視。
匂いに釣られたのか、漸く身体の疲れが癒えたか戦闘奴隷が起き上がる。
「腹へった。くれ」
「熱いから気を付けろよ」
スプーンと一緒にお椀を渡す。硬いパンはまだ切り分けていなかったので渡さない。
「まあまあだな」
不味くは無かった様で安心する。俺も食してから切り分けた硬いパンを浸して食べる。
「アタシにも」
朝食を食べ終えて、結界の魔道具等を仕舞う。焚き火に水をかけて消してから出発する。
帰路は特に何事もなくダンジョンを出た。魔道具用に半分だけ魔石を残して、ゴブリンキングとその他の魔石を冒険者ギルドに売り付ける。
「今回の稼ぎは金貨五枚か。かなりのもんじゃないか?」
「低層だとそんなもんなんだな」
「取り分は俺が九割で良いな?」
「好きにしな」
銀貨五枚を渡して、金庫に金貨三枚を預ける。中層に行けばもっと稼げそうだが、人数が不安だ。
「戦闘奴隷を増やすか」
「それなら盾役が出来る奴が良いな」
「まあ、暫く低層で稼いでからな。帰るぞ」
俺達は住処に戻って鋭気を養う事にした。勿論、夜の組体操は激しかった。
低層で稼ぐ日々が続き、金貨五十枚が貯まったある日、俺達は奴隷市場に足を運んだ。この日初めて俺は腕輪の正体に気付いたのだった。
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