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呼ばれる側の視点
ご主人がスライムに遭遇(エンカウント)した。
俺を呼べ!
俺はスライムの弱点を突けるし、スライムの攻撃に耐えられる。つまり俺さえ呼べばスライムなんか楽勝だぜ。
だが、ご主人のターンの行動は俺を呼ぶことではなかった。ご主人はなんと、剣士のダンテを召喚した!
なぜだ…なぜ俺じゃないんだ…剣士とか対スライム戦において不利以外の何者でもないだろ。最近ダンテがお気に入りだからってそれはやりすぎだろ、ご主人。
あー、ほら、ダンテはもう瀕死状態だ。それに対してスライムはピンピンしてる。今度こそ、俺の出番だな。
だがやっぱりご主人は俺を呼ばなかった。次は火の精霊、イフリートを喚び出した!
たしかにイフリートも俺と同様の火属性。ご主人の考えも分からなくはない。でもやっぱり、俺を呼んで欲しかった。ご主人は俺のことが嫌いなのだろうか…
昔は頻繁に呼ばれていた俺は、最近あまり呼ばれなくなっている。もうご主人は俺のことを忘れてしまったのだろうか…
一緒に闘った幾多の戦場も忘れ去られたのかな…
あぁ、俺はもう、期待しても無駄かもしれないな…
その時、ご主人が颯爽と魔導書を取り出した!
あれは俺を呼び出せる魔導書だ!
まさか、ご主人!
「エクスプロージョン!!!」
キターーー!とうとう俺の出番が来た!いっちょやってやりますか!見とけよ、ご主人!
いやー、やっぱり俺強すぎだろ〜。まったくー、ご主人は俺がいないとだめだな〜。また呼んでくれよ、ご主人!
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