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「おはよう」
藤堂が車から降りて、ニコニコ笑っている。
「あ、おはよ」
夕貴達も言い合いを止めて、ニコリと笑う。
「ごめん、夕貴、言ってなくて。今日は、三人でデートしよう」
藤堂は、いつもより機嫌が良い。
「うん、いいけど…」
「また、お邪魔して悪いな」
大智は少し居心地が悪そうに言う。
「いや。フェアじゃないのは嫌いなんだ。正々堂々と戦いたいからね」
藤堂は、勝利を確信したようにニヤリと笑っている。
「え…戦いって…?」
夕貴は、よく分からなくて聞き返した。
「まあいいじゃん。行こ」
大智に促された。
森辺がドアを開けてくれる。
藤堂と大智は、どちらが後部座席に座るかでジャンケンを始めた。
「何やってんの?俺が前に乗ろうか」
夕貴が言うと「夕貴は、黙ってて」と言われてしまった。
結局、大智が勝って夕貴と二人で後ろに乗り込む。
藤堂は、残念そうに前の座席に乗った。
最初からこんなんで、どうなるの?と夕貴は、少し不安になってきた。
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