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ガタガタと車体を揺らし、ジェットコースターが元の場所に到着した。
「はあー、楽しかったな、夕貴」
「…うん」
大智に手を取られ降りながら、さっきの告白に実感が湧いてきて、顔が熱くってくる。
「ごめん、なんかどさくさ紛れにあんなこと」
大智は、夕貴から目を逸らして言った。
「あ、ううん」
手を繋いだまま降りて行くと、藤堂は、ベンチから立ち上がってこちらにやって来た。
「あっちのほうにゲームコーナーがあるみたい。行ってみる?」
園内のパンフレットを広げながら藤堂が言った。
「うん、行こう」
大智も同意して、三人並んでゲームコーナーに向かった。
両方から手を繋がれて、なんだか幼稚園児みたいだ。
夕貴は、1人で吹き出す。
「どうした?」
「なに?夕貴」
「いや、なんかこの体勢が」
両手を持ち上げて夕貴は、笑った。
「藤堂、離せよ、幅取るだろ?」
「大智こそ」
また二人が言い合いになって、夕貴は、戸惑った。
「あーいい、こうする!」
幅を取らないように夕貴が二人の腕をグッとき引き寄せた。
「2人とも大好きだよ」
夕貴が言うと、二人が赤くなった。
なんだか贅沢な気持ちで、夕貴は腕に力を込めた。
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