255人が本棚に入れています
本棚に追加
優しさ
暫くベンチでゆっくりしていると、話しながら二人が歩いてきた。
たまに笑ったりしながら、すっかり仲良くなっている。
大智は、誰とでも仲良くなれるもんな…。
夕貴は、嬉しいような妬けるような複雑な気持ちになった。
「ゆーうき、おまたせ」
大智がそう言いながら、ベンチに腰掛けてきた。
「あ、うん」
さっきの告白なんて無かったような大智のあっさりした態度に、なんだかからかわれたような気がしてくる。
「次さ、観覧車に乗りたいんだけど。どっちと乗るか夕貴が決めて」
大智が言って、藤堂も「うん」と言い、こちらを見ている。
「え?俺が決めんの?」
「そう」
「そうだよ」
二人に見つめられて、どうしたらいいのか分からなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!