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観覧車から降りて、さっきまで座っていたベンチに腰掛けた。
「藤堂って優しいよな」
大智がしみじみと言う。
「うん?」
「だってさ。自分で言うの恥ずかしいけど…。夕貴の気持ちをわかっててさ三人で行こうって言ってくれたんだよな」
「そうだね。優しいよね。二人になれるようにしてくれたんだよね」
藤堂の気持ちが今更ながら沁みてくる。
本当に想っててくれたんだな。
夕貴は、心が暖かくなった。
「俺はいい友達になれそうだけど。夕貴は…難しいか?」
「俺も友達でいたいよ」
二人で何故かずっと藤堂の話をした。
「不思議な奴だよな」
「うん」
自分は感情をあまり出さないのに、人の気持ちには敏感な藤堂を二人とも大好きになっていた。
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