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最後の日ー
大智と二人で見送りに行くと、藤堂の母親はとても別れを惜しんでくれ「是非、東京に遊びに来てね」と、言ってくれた。
三宅も「またご馳走作りますからね」と笑ってくれる。
森辺は、藤堂の後ろにそっと寄り添い、うやうやしく頭を下げた。
「元気でね」
最後に藤堂と握手すると、ギュッとハグをされた。
大智の前だったのでドキリとしたけれど、それ以上に藤堂との別れが寂しくて、夕貴もハグし返す。
「夕貴…またいつか」
「うん。絶対会おう」
たった数ヶ月だったけれど、一生忘れられない日々だった。
走り去る車を見送っていると大智が手を握ってくれた。
「藤堂のお陰だな…俺の片想いが実ったの」
「本当だね」
大智の確かな温もりを感じる。
例えば、大智が太陽なら。
藤堂は月かもしれない。
いつも美しくそして静かな。
そっと見守ってくれる月。
太陽に隠れて見えないけれど、確実にそこにある月の存在を、夕貴は想像した_
ーfinー
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