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「昔からなのよねえ…」
唐揚げを咀嚼していると、母親が夕貴を見ながら言った。
「え?何が?」
菜々美が母親を見る。
「男の子にモテるの、ゆうちゃんて」
「んぐっ」
唐揚げが喉に詰まりかけた。
「そうだっけ?」
菜々美は、楽しそうに聞いている。
「そうなのよー。小さい頃よく行ってた公園でもね。男の子達がゆうちゃんを取り合ってね」
フフっと母親は笑っている。
「あー、可愛かったからねー。女の子と間違えてたんじゃない?その子達」
菜々美も笑っている。
なんとなく、そんな記憶がないことも無い。
けれど、小学生になってからは、大智がいつも守ってくれて被害にあうことは無かった。
「ま、私も悪いのよねー。ゆうちゃんなんて呼んでたら、女の子かと思うわよね」
あはは…と母親は笑った。
本当にそうだ。
けれど、今回の藤堂に関しては、ハッキリ「可愛い男の子」と言われている。
何故、好かれているのか皆目検討がつかなかった。
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