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彼女の思いや自分の思い、二人を取り巻く環境などに考えを巡らせ、何度も何度も同じ考えを繰り返した結果、やはり雲雀が行き着いたのが『プロポーズをする』ということだった。
ここまで来れば正直言って開き直ってしまう。
こういう状況だからこそ、逆に『結婚ありき』で考えてもいいのではないか。
物事には何でもタイミングというものがある。
自分は王になる。
彼女は学業を終え卒業する。
(…結婚のタイミングとしてはベストだと思うんだけど……)
雲雀は思った。
それに、今日出会ったばかりの女性にプロポーズするわけではないのだ。
少なくとも雲雀は、シエルとの付き合いの早い段階で結婚を意識していた。
それならばさっさとその意志をシエルに伝えるべきなのだろうが、こうして一人でこじらせているのは雲雀の奥手さゆえである。
しかし彼の心の奥にある確固たる意思が、ついに雲雀を行動に移させる。
(僕は…これから先の人生で…お互い支え合って生きていきたい…シエルと……)
朝、シエルの隣で目覚め、夜は彼女を腕に抱いて眠る。
一緒に暮らすことになると、もしかしたら喧嘩をすることもあるかもしれない。そうなったらしっかり話し合って、仲直りしよう。
きっと、笑顔溢れる家庭を築けると思う。子どもはたくさん欲しい。シエルによく似た女の子がいい。
毎日たくさん笑って過したい。
彼女との未来を思い描き、雲雀は自然と笑みがこぼれた。
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