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しかし、相手が相手です。幾らなんでも、ボクらが住み暮らしているルニーン・タウンも属している国──フンドゥース王国の現国王カナメ・ノニク・マウサオ・キュルメーラ陛下をこのままにしておくワケにはいきません。
──さて、何故、ボクたちの家にこの国の王様であるカナメ陛下がいらっしゃるのかというと、のっけから簡潔に説明しますと以下の通りになります。
──それは、カナメ陛下がボクに向かって唐突に頭を下げられた現在から遡ること、約一ヶ月前。
カナメ陛下のご息女の第三王女アイリア・ツスラ・ヌスハ・キュルメーラ──ことアイリが、まだ正式ではないながら王室を離れて市井人のアイリアとして我が家にやって来てから数日後のこと。
アイリの妹で、蘇生された前世の肉体に逆転生して世間体では世界最大の宗教の御子と呼ばれているボクの接待役を務める、フンドゥース王国の第四王女ファナリア・テセラ・ネスハ・キュルメーラ──ことファナが、王室関係の仕事をする上で速やかに王都フンドゥリアの王城の高官達と連絡を取る為に設置された電話機──仕組みは違う為、厳密には違いますが便宜上、そう呼称してます──の受話器を置くや、居間で寛ぐボクたちに向けてこう言いました。
「皆さん、大変です! 明日もしくは明後日に、わたくしの父──いえ、国王陛下がわたくしたちの家にお出でになるそうです」
「はい!? 王様がボクたちの家にですか?!」
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