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──……………………!! あー……言われみれば、確かに。普通は会って間もない相手に軽々しくツッコミを入れるなんて、頭にきて我を忘れてとか余程の事がないかぎりは有り得ませんね。
………………成る程。道理で、あの場の空気が凍り付いたのですね。今更ながらに、漸く気付きました。
でしたら、
「…………いいでしょう。ここは敢えて、ボクとシャルが超仲良しという事は認めてあげますよ──」
「わ~い☆ じゃあ、わたしは特別に~……──」
「──故に、特別扱いはしません!」
「え!? いやいや、そこは、超仲良しなんだから、特別扱いするのが……」
「何言ってるんですか、シャル? ボクと貴女が超仲良しならば、間柄が特別である以上、それ以上に特別に扱うのは“超仲良し”という間柄に矛盾が生じます。だって、そうでしょう? 超仲良しということは各々相手に対して“気遣い”は無用。それが超仲良しの間柄としては当たり前ですよね? ね?」
「………………………そ、そうだよね~……。超仲良しの間柄には気遣いは無用だよね~……あはは……」
シャルはボクの屁理屈に納得してくれたようで、尻すぼみしていく乾いた笑いと共にすごすごと再び服選びに戻っていきます。
──ふぅ~。まさか、嘗てやんちゃが行き過ぎそうな時の良藍を言いくるめて止めるのに磨いた屁理屈論法が此処に来て役に立つとは……。思いもよりませんでした……。
こうして、ブティックでの買い物は恙無く──、
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