4人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ?」
響のまわりには続々と男たちが集まってくる。
端正すぎる顔で、響は呆れた顔をしていた。
「井上か、お前の糞だろこれ?ちゃんと尻にくっつけとけよ」
鉄也は男を開放する。
げほげほと咳き込みながら男は響の後ろに逃げた。
響は表情を変えず、鉄也の鼻を見ている。
「……みんな驚いてるだろ、もうやめとけ」
「やめとけ?つっかかってきたのはお前の友達だろうが、俺じゃなくてそいつに言えよ」
「……そうするよ、でもお前もわきまえろ」
「不良様がいい子ぶってんじゃあないよ」
鉄也から目を逸らした響はばつの悪そうな顔をする。
4歩前に進んだ鉄也は、響の顔に自分の顔を近づけた。
涼し気な瞳を覗き込み、眉をひそめる。
響はほのかに頬を赤く染めた。
「俺は楽しく学校生活を送ってるだけだ、文句があるのか?」
「楽しみたければ楽しめばいいさ、だが……人を舐めるなって言ってんだよ」
響のとりまきが顔を厳つくする。
多勢に無勢の状況だが、鉄也は鼻で笑ってみせた。
「……こっちはやってもいいんだぞ」
「やるって何を?フォークダンスか?」
鉄也の舐め切った態度に腹を立てた響の取り巻きの1人が、無謀にも鉄也に向かっていく。
自慢の剛力でその男の鼻を指で潰した鉄也は、痛がる男に構わず会話を続ける。
最初のコメントを投稿しよう!