狼さんは戻りたい

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※視点変わります 「そろそろ球技大会が始まる。前に種目を書いておくから参加する種目を決めて黒板に名前書けーー」 少し弾んだ声で話す先生とクラスメイトたちの楽しそうな声があちこちから聞こえてくる。 ああ、めんどくせぇ。 窓際の机に突っ伏しながらふと思った。 自分が顔を上げれば、めんどうなことになるのは俺が1番よく知っている。 不良、裏の番長などと噂されている俺に好意的なやつはいない。現に楽しそうに話すクラスメイトたちからは少し距離を置かれ、一言も話しかけられない。 だが俺も変に他の奴らと馴れ合うつもりはない。別に1人でもいい。 この学校はおかしいのだ。俺は編入生だからこの学校の異常さがよくわかる。 顔が良ければ崇め、悪ければ蔑む。互いを牽制し、親衛相手に欲情する。 それが俺にとってとてつもないほどに気持ちが悪かった。 俺にも知らず知らずのうちに親衛隊ができていて、勝手に指図される。 込み上げてくる怒りを抑え込み、ベッドフォンをかけて音楽を流す。 首あたりが痛んできたので少しだけ体を動かして目を閉じる。 そのまま俺は眠ってしまった。
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