白を呼べ

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部屋に入って来た洋ちゃんはポケットから紙を取り出し、何か独り言を言っている。 「子供達を呼びたいってこれかよ」と苦笑いをしていた。 「てか、この中からどうやって探せばいいんだ?しかしよくこんだけの色の名前をスラスラ言えるなぁ」と紙と絵の具の棚を見て頭をポリポリかいていた。 僕は絵の具達に名前を呼ばれたら分かりやすい様に少し動いてあげる様に合図をすると、みなみちゃんが大好きな色のウェッジウッドブルーがコトンと動いた。 筆の僕達と四苦八苦して揃えた絵の具がキャリーバックに入れられた。 暗くて少し窮屈だけど我慢出来る。 やっとみなみちゃんに会える。 「みなみ、お待たせ。連れて来たよ」 バックの外から洋ちゃんの声がする。 急にファスナーが開き明るくなった。みなみちゃんは嬉しそうな声をあげながら僕達を覗きこんだ。 えっ? み、な、み、ちゃん……?
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