あー、あの日の わいの冒険 1年生 その17「思い出の小物入れ」

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 ミカンが、おもむろにミニ冷蔵庫を開けて、こんどはバナナを取り出して、ゆたやんに渡した。 ε-(´∀`; ) 「え?」( ゚д゚)  とバナナを見つめたいたゆたやん。やがて悲しそうに首を振った。  ( ;´Д`)  そりゃ、これじゃあかんやろ……   ミカンの作ったバナナ渡したって、ゆたやん関係あらへん。  バナナ、バナナ、バナナ、バナナ。  ピカーン!! わい、ひらめいた。  ¥(°▽°)  わいはカバンから折り紙セット取り出すと、ゆたやんを連れて脇に行った。  そして、黄色と赤の折り紙を出して ゆたやんに渡す。  (°▽°)¥   ゆたやんも気づいたようや。その折り紙を折って長方形にしていく。 「はい、先生」  ゆたやんは、長方形の赤い折り紙と黄色い折り紙を渡した。 「なーに?」 「レッドカードとイエローカード。何か困ったことがあったら使って」  ゆたやんは、ちょっと恥ずかしそうにカードを渡した。 「ハハハ、ありがとうね。これ、一番使うかも」  みんなで、ハハハハハって笑った。 「じゃね。先生、また明日」 「終業式、遅刻したあかんよー」 「はーーい」  と言って、わいらは走った。 「ピピピー! コラッ、廊下は走ったらあかんでー」  先生の声が後ろで聞こえる。見るとイエローカードをあげていた。  わいらは立ち止まって振り返った。最後の言葉はやっぱり 「ありがとうー。先生ー」  そう言って、わいら3人は、思いっきり手を振った。  先生も、手裏剣と、ミカンと、イエローカードを持って手を振っていた。  大人になって思うと、あの頃は自分の世界が浮くんも沈むんも、言葉ひとつや。いや、それは大人になった今も言葉で浮き沈みするのは変わらんけど、あの頃の言葉、そして先生だけちゃうけど、先生の言葉はやっぱり、めっちゃめちゃ大きいわ。  わいら、山本一絵先生の言葉の風に吹かれて、フーって気持ちよく世界が浮き上がってた気がする。 「あんがとうー」  力いっぱい手を振った。  わい、次は頑張って2年生するなー。   Fin あーあの日の冒険 1年生修了 2年生に続く……  たぶん。
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