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ミカンが、おもむろにミニ冷蔵庫を開けて、こんどはバナナを取り出して、ゆたやんに渡した。
ε-(´∀`; )
「え?」( ゚д゚)
とバナナを見つめたいたゆたやん。やがて悲しそうに首を振った。
( ;´Д`)
そりゃ、これじゃあかんやろ……
ミカンの作ったバナナ渡したって、ゆたやん関係あらへん。
バナナ、バナナ、バナナ、バナナ。
ピカーン!! わい、ひらめいた。
¥(°▽°)
わいはカバンから折り紙セット取り出すと、ゆたやんを連れて脇に行った。
そして、黄色と赤の折り紙を出して ゆたやんに渡す。
(°▽°)¥
ゆたやんも気づいたようや。その折り紙を折って長方形にしていく。
「はい、先生」
ゆたやんは、長方形の赤い折り紙と黄色い折り紙を渡した。
「なーに?」
「レッドカードとイエローカード。何か困ったことがあったら使って」
ゆたやんは、ちょっと恥ずかしそうにカードを渡した。
「ハハハ、ありがとうね。これ、一番使うかも」
みんなで、ハハハハハって笑った。
「じゃね。先生、また明日」
「終業式、遅刻したあかんよー」
「はーーい」
と言って、わいらは走った。
「ピピピー! コラッ、廊下は走ったらあかんでー」
先生の声が後ろで聞こえる。見るとイエローカードをあげていた。
わいらは立ち止まって振り返った。最後の言葉はやっぱり
「ありがとうー。先生ー」
そう言って、わいら3人は、思いっきり手を振った。
先生も、手裏剣と、ミカンと、イエローカードを持って手を振っていた。
大人になって思うと、あの頃は自分の世界が浮くんも沈むんも、言葉ひとつや。いや、それは大人になった今も言葉で浮き沈みするのは変わらんけど、あの頃の言葉、そして先生だけちゃうけど、先生の言葉はやっぱり、めっちゃめちゃ大きいわ。
わいら、山本一絵先生の言葉の風に吹かれて、フーって気持ちよく世界が浮き上がってた気がする。
「あんがとうー」
力いっぱい手を振った。
わい、次は頑張って2年生するなー。
Fin
あーあの日の冒険 1年生修了
2年生に続く…… たぶん。
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