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…そう言えば何年か前にこんなタイトルの映画があった覚えがある。
見たことはないが、ホラー的なサスペンス的な内容だったろうか?
しかし今回私が近々で経験している話をタイトル化しようとしたら偶然にもこんな感じになってしまったのでしょうがない。
そうだ、私は何をしたらこうなったのか?と聞かれたら応えてしまうだろう。
“スマホを拾っただけなんです”と。
…話は先月末くらいにさかのぼる。
私は仕事先の駐車場、車内にて会社から何かLINEが運転中に入ってないか?と駐車した車内でスマホをサイドボード付近から取り出した。
その際、手から滑り落ちたスマホは足元へごとん、と転げ落ちた。
私は(あーもうっ)自分に舌打ちしながら足元付近にある感覚のスマホに指先をはわせる。
人差し指と中指に触れる硬い感触、スマホの角を指先でつかみかけたところで再びスマホは滑り落ちる。
だんだん時間の焦りも出て来る…私はさっきより顔をハンドルに沿わせ肩から肘そして指先をうんと真下に伸ばす。
今度こそスマホをしっかり拾い上げなければいけない。
目線はハンドル越し外を見たまま、そこにある感覚だけでスマホを手探りする。
今度は取り上げることができた、早速LINEアカウントを開く。
会社のグループLINE 、投稿されていたのは社長からの事務方への確認事項と納品完了の知らせ…とくに今私に急ぎで関係する事柄も名指しもなく安堵する。
私は再びキーを回し渋滞の中、会社への帰路についた。
それから2日ほど経った頃。
私はちょうど連休中、リビングで本を読んでいた。
平日の静かな昼下り、夕方まではまだ時間がある、午前中に買い出して昼食を軽く取りソファーに体を預けリラックスタイム。
ふと左肩に小さな痛みを感じる。
(肩こり…がひどいのかな?)
私は棚から手持ちの市販のローションを取り出す。
首筋あたりに塗れば何となく頭も重くなっている気がしてため息をつく。
(やだな…気圧の変化とか??うーん。)
近頃テレビのコーナーで気候の不安定による気圧症という言葉をよく耳にするようになった、それに季節の変わり目、古傷や神経症、精神系や認知症など時期による悪化や変化する実例も仕事柄知っている。
それからの私は肩の痛みを気にしつつも家事や仕事を普段通りしていた。
ローションを塗りなおしたり、市販の湿布を貼ってみたり、手持ちの痛み止めの薬の残薬も時より飲んで対応してみる。
そこから2日と待たず左肩の痛みは首筋、さらにむち打ちや寝違えに近い状態へと悪化した。
ベッドに横になろうとする動作で重く強い痛みに顔を歪め、どうにか寝ようとしても左肩の痛みで寝返りも打てなくなってくる。
最初のうちはそれでも一時間半くらい眠りにつき起きるという間隔で朝を迎えた。
首が思った以上に回らず車の運転がかなり恐ろしくなってきたが何とかお尻ごと僅かなスペースを動かすなど工夫してより安全運転を心がけながら何とかこなす。
しかし睡眠不足感は否めず昼過ぎに頭が回りにくいと感じることも増えていた。
睡眠不足がはっきりと睡眠障害に変わっていくまでさほど時間はかからなかった…それは花粉症などによる軽度のアレルギー性鼻炎が輪をかけてきたからだ。
普段、うがい・手洗い・鼻うがいを一日の生活の中で数回、とくにうがいと鼻うがいに関してはセットで一日のうちに最低でも三回以上やっている私のルーティングは。
この時期鼻うがいだけで昼夜問わず帰宅すれば二倍以上、するようになっていた。
通常なら鼻うがいだけで市販の薬を飲むことなく日常を過ごせている私が(よほどの時はさすがに服薬)。
ついには鼻うがいでも鼻が通らず、無理した車の運転などと重なり左肩から首筋、さらに左耳の真裏まで熱をおび重い痛みを走らせるようになると睡眠不足も三日以上続くようになってくる。
回らなくなった首と合わせるように口の開きも悪くなり服薬ひとつにしても普段のように口に含むことができず、最初の水さえ満足に口内にとどめきれなくなってしまった。
上を向くことは叶わず首の痛みから俯き加減となり薬はティースプーンに乗せ、口内にねじこむように押し込む。
一度で飲めない水を少量・数回にわけ口の中で回すイメージで腫れた喉の隙間に入れていく。
まるで高齢者の感覚に近い、確実に水分摂取量が減っていて夏場ならより顕著な脱水症状が出ているだろうな…とこんな自分を分析するもうひとりの私がいる。
私自身、次の休みは病院に行くことを決めていた…しかし今の症状ははたしてどちらに行くべきか?と悩む
すると隣で私の症状を共に考えてくれていた相方さんが 今回に関しては行くならかかりつけの整形外科よりも総合病院の方がいい と伝える。
私自身はかかりつけの整形外科かはたまた内科を迷っていたが、私とは少し違った分野からの医療機関に詳しい相方さんによると。
“”かりつけの整形外科に行くことは悪くないが、仮に整形外科で症状の改善が見られなかった場合にその後に内科ということになると、当人のさらなる体調悪化で別の病気が発症するリスクに初診料をそれぞれに取られたあげく原因究明に時間がかかりすぎる場合がある”
と、言うのだ。
そこで私は紹介状なく行くことができる規模の総合病院、整形外科を受診し流れによっては同じ病院内にある内科を受診することにして、普段かかりつけではない総合病院を受診することにした。
コロナ禍でもあるのでそこのリスクも考え、ここまでの自分の症状と希望(痛み止めの薬はまだ手持ちがあることや湿布が欲しいこと、とにかく眠れる用になりたいこと)をA4サイズの用紙に記載し実際に持っていった。
封書に入れたそれは受付で取り出すと事務員さんには ああ、紹介状ですね? と誤解を受けたので慌てて訂正した。
そこから今の症状のことを説明し整形外科の受付案内から担当医師へと渡り診てもらった際には。
「いやぁ、詳細に書いて頂けてこちらも判断しやすいですよ。助かります。」
とは言ってもらえ安堵した。
しかし、担当先生は私の症状内容とある体の一部から何やら2つのことを疑っていると思えてならなかったし追加質問から私の経験がそれをやがて確信へと変えてゆく…。
「はるグルさん、左肩から首筋、ひどいときは耳の後ろ側まで痛みと熱があったと書いてありましたが…指先の痺れはいかがですか?グーパーできますか?見せてもらっていいですか?」
…この質問から推測できるのは頸椎ヘルニアの疑いだった。
腰痛ヘルニアが持病にある私の肩や首のレントゲンを食い入るように見つめ先生は確認してくる。
「あー、はい。まったくない、とは言えませんがこの通り、です。」
「うんうんなるほど♪スムーズですね。ちょっと触りますよ?」
先生が私の肘から肩、手首付近を確認しているときだった右肩から肘、手首に来たところで一瞬硬い空気が生まれる。
私は軽く瞳を閉じて脱力していたが、数秒の沈黙を感じ薄目を開ける…。
そこには私の右手甲の部分と手首の部分を交互に確認するかのような先生の鋭い目線が飛んでいるのである。
(あ、やばい。)
私は直感した。
視線の先は私の右手にあるまだ新しい感じと古い感じが混ざりあった切り傷の痕跡だ。
カッターなどでデタラメに切りつけたような傷は紅い線を帯びて四〜五本だろうか手の甲から手首手前あたりまで伸びていて先生はそれを確かめるように診ている(気がする)。
「……これ、は?」
「あ、ああ…それはリスカじゃないですぅ汗 ペット(フクロモモンガ♂・甘えん坊・食いしん坊・悪知恵めちゃはたらく・ツンデレ)の爪痕ですぅ(泣)」
危うくそっちの可能性まで疑われかねない状況であったのは、まだ想像の域でしかないw。
それから私は首・肩にブロック注射を打たれ湿布をもらい、肩から首に関しての一日数回の運動ならびにお風呂は湯船にしっかりとつかって体を温めることを注意され、その後は劇的な回復を見せ今に至っている。
はじまりは無理な体制でスマホを拾っただけ…何気ない日常の動作がここまで悪化させる原因となることもあるのだ、と私は今後の自分に言い聞かせ久方ぶりの睡眠につけているのである。
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