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「あ、じゃあさ。ヴェルセルク君がお世話になっているお礼として、俺から何着か、オフィーリアにプレゼントするよ」
「私からも、プレゼントさせて下さい」
「……。否。あかん。ただでさえ迷惑かけとんのに、これ以上は……」
提案を拒否しようとしたオフィーリアの言葉を、何故か顔の前で人差し指を立てたエルファリスが遮った。
「私、本当にコーラルブルー刑事には感謝しているんです。イレブンジーズ課長補佐とはまた違う形で、しっかりした道筋を示してくれた貴方には……。きっとヴェルセルク刑事も、それを理解しています。だから貴方には多分、本当の意味で反発していない。彼は本当に幸せ者だと思いますよ。貴方のような、立派な指南役に出逢えて」
そう言ってにっこり笑うと、エルファリスはもう一度、今度は深く深くお礼をする。
「そういう事だよ。オフィーリア」
「……分かった。受け取るさかい、これで良えやろ」
とうとう観念したオフィーリアを見て、エルファリスが満面の笑みを浮かべる。
そのやり取りを横目に、シェイカーが肝心な事を質問した。
「ところでそれ、ちゃんと病院に通うんだよね?」
治療済みの傷口を指し、確認するシェイカーに、オフィーリアは面倒そうな顔になる。
「放っといたら治るやろ」
「オフィーリア? 俺達約束、したよな? これからはちゃんと生きるって」
「え。あ。……しばらく。こ、ここに通うさかい。…………それで堪忍したって」
脅されて冷や汗だらだらもののオフィーリアが返すと、満足そうに頷いたシェイカーが続ける。
「良かった。その方が俺も安心だしね。……さ、そうと決まれば、早速服、買いに行こうか?」
その日は散々ブティック行脚させられ、心底疲れ切ったオフィーリアがヴァイスに帰ってからも、しばらくは怪我の治療をシェイカーにしてもらうため、イグレシオンに通う羽目に陥ったのであったーー。
ーto be continued……ー
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