第三章・ー収束ー

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「……」  道場からシャークの姿が完全に見えなくなったところで、慌てた様子のシェイカーが走ってくる。 「オフィーリア! 大丈夫か!?」 「大丈夫に決まっとるやろ。傷に響くさかい。あんま大声で喋んなや」  肩口からは依然として鮮血が流れ落ちているにも関わらず、オフィーリアは言葉通りかなりの度合いで大丈夫そうに見える。  だが、試合内容を見ていた側からすれば、傷口は深いと診断出来るため、今にも治療が必要な状態なのは確かなのだ。  シェイカーの隣ではエルファリスが心配そうに傷口を見詰めていて、その視線に気付いたオフィーリアが続ける。 「致命傷になるような攻撃は、全部避け切ったさかい。ほんまに、そない心配すなや」 「……は? 致命、傷って……まさか?」 「あないな攻撃、全部まともに喰ろてたら、俺の命幾つあっても足らんわ」  衝撃的な事を聞かされ、呆気に取られるシェイカーとエルファリスに、オフィーリアは小さく息を吐いた。 「……少なくとも二桁。二桁は死んどるからな。……あない攻撃、まともに喰ろうてたら」 「……」  絶句する。  あんな息も吐かせぬ攻防戦の中で、そんな芸当を器用にこなしていたのかと、改めてオフィーリアの凄さには、脱帽せざるを得ない。  エルファリスも同様のようで、瞳をきらきら輝かせながらオフィーリアを見詰めている。 「と、取り敢えず医務室へ行こう」 「頼むわ。……片付けは後からするさかい」  そうして三人は道場を出ると、医務室へと足を運んだのだった。
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