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シェイカーに案内されて医務室に着くなり、手近にあった椅子を引き寄せ座るオフィーリアは、長い息を吐く。
「はぁ……。……ものごっつ疲れた」
「えーと……。今までの感想、本当にそれで大丈夫なの?」
医者としてでなくとも、オフィーリアが重症を負っているのは一目見て理解るため、シェイカーが突っ込みを入れる。
「あ? 何が? ほんまに疲れたさかい、疲れた言うとんねん。悪いか」
「いや。悪くはないけど」
上着を脱がし、シャツに手をかけたところで動作を止める。
スーツもシャツも血にぐっしょりと濡れていて、思っていたより出血量が多いようだ。
止血から始めた方が良いかと、エルファリスに上着とシャツを流しに置いておくよう頼み、治療を再開させる。
「それにしても珍しいね。オフィーリア、いつもあんな挑発には乗らないのに。一体どうしちゃったのかな?」
「……。まぁ、理由はある。せやなかったらあないめんどい事、俺が率先してやる訳あらへん。俺はめんどい事と無意味な事は、絶対やらん主義や」
となると、何かしら目的があった事になるのだが、一体それは何なのかと考えて、ふと気付く。
そう言えば、一緒に見学していた筈の、ラキの姿が消えているとーー。
「ヴェルセルクやったら、俺から庇われた時点で道場からおらへんなったで」
疑問に応えたのはオフィーリアで、考えを読まれたようだとシェイカーが苦笑する。
「そっか……。そういう事だったんだ? ごめんな、オフィーリア。毎回うちの署員が迷惑かけて」
それだけで察しの良いシェイカーは、オフィーリアが言う“理由”を理解したようで、謝罪と感謝の気持ちを口にした。
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