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正直な話、オフィーリアは昔から誰かを世話するとか、何かしら面倒を見るとかいったような行為を、口では「苦手だ」としていても、実は好んで実行するし手際が良いように思える。
態度などでは突き放す事をしても、結局見放せないのだろうとシェイカーは判断していたのだが、今回に限っては、何だか違う理由のような気もしていたのだ。
恐らくオフィーリアは、ラキの事を気に入って、しかも率先して気にかけている。
その事に気付いたシェイカーは、初めは迷っていたのだが、前回生憎と不在だったアンダーテイカーにも相談して、オフィーリアには特別に、イグレシオン署への出入りを許可しようかという話まで出していた。
元々ヴァイス署陰契課の刑事であるのだし、命を懸けた実戦をこなして強くなってきた実力者でもあるのだから、これをダシ……もとい、機会にしてイグレシオン署とヴァイス署の連携を更に強くするという事を、名実共にしても良いのでは? とか、シェイカーは密かに考えていたのだ。
オフィーリアの異動を本人も、周りも望んでいないのならば、これが一番の解決方法であろうと、いまだ渋るアンダーテイカーを説得している最中でもある。
生憎とまだ決定事項ではないため、オフィーリア自身やヴァイス署陰契課部長であるジョシュア=ブラックホークにはまだ知らせてはいないから、そこもどうしようかとタイミングを図っている。
そんなシェイカーの企みを知ってか知らずか、オフィーリアは幸いにも、イグレシオン署に通ってきてくれているのだから、非常にありがたい話である。
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