4人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
ラキも訳が分からないといった様子で、取り敢えず何も発せずにいると、オフィーリアが助け船を出すように相手を睨む。
「阿保か。ここ、仮にもイグレシオンやぞ。自分……。シャーク、うちの署員に迷惑かけんねやったらともかくも、他署員……まして元同僚のシマで暴れるん、俺は絶対許さんからな」
「にゃは。別に暴れるとか言ってないじゃん。……でも、そうか。じゃあ、同僚になら、良いの?」
言われた相手……シャークが見せるのは“昏きもの”特有の、冷たく恐ろしい表情だ。
それだけで並みの相手ならば怯むのだろうが、生憎とオフィーリアはそんなたまではない。
「屁理屈抜かすな」
「そんなに庇いたいならお前が相手しろって言ってんの。因みにこれ、お願いじゃあなくて、命令な?」
肩に手を置き、わざと茶化すように言うシャークに対して、勢い良く振り払ったオフィーリアが殺意のこもった瞳で睨む。
「上等じゃ。一回自分の事は性根叩き直したる思てたとこやし。良い機会やからいてこましたるわ」
「やったー。オフィーリアと手合わせ出来るぅ」
許可を得たシャークが万歳しながら喜ぶ様は、どことなく無邪気そのもので、伴う雰囲気と相まって、何だかちぐはぐな感じが見受けられる。
そんな二人のやり取りを為す術もなくラキが傍観していると、課長室の方から足音が響いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!