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ここはとある研究所。ある重要な発見をするために、二人の科学者が日夜研究に励んでいた。
「つ、ついにやったぞ!」
「ああ、我々はとうとうやったのだ」
二人は固い握手を交わした。二人の間には、幼少期以来ずっと変わらない友情があった。
「神の存在証明をする。我々の夢だった」
「元はと言えば君の夢だがな。僕も最初は半信半疑だったけど、存在証明どころか、まさか神を発見できるとは」
二人は科学的な方法により、神を発見したのだ。
「思えば遠い道のりだった。神などに夢中になるなど、科学者の風上にも置けんと、蔑まれてきたものな」
「これならば、ガチガチの無心論者たちも文句は言えないさ」
「フフフ。僕たちを馬鹿にした連中の驚く顔が目に浮かぶようだ」
「ただ、待てよ。これを神だと、どう証明する?」
「うん?何を言ってるんだ?ここにあるんだから、一目瞭然じゃないか」
「しかし、発見したと言っても、これっきりだ。別の個体がいなくては、これが神だと証明できない。作り物だと言われたらどうする?」
「それもそうだな。じゃあ、こいつに神様らしいことをさせてみるか」
「神様らしいこと?」
「神社に行ったら願い事をするだろう。何か願い事をして、叶ったら本物の神様だ」
「なるほどな。それでは君、願い事をしてくれたまえ」
「いや、僕じゃなくていいよ。君が願い事をしてくれたまえ」
「願い事と言ってもな。急には思いつかない」
「何かないのか?いつも神社に行ったら、君は何を願う?」
「よせよ。僕は科学者だぜ。神社になんか行かないよ。子供の頃に行ったっきりさ。何を願ったかなんて、忘れてしまったがね。君は今でもそんなところに行っているのか?」
「そんなところとはなんだ。科学者が神社に行ったって構わないだろう」
「意外と君は迷信を信じるタイプなんだな。じゃあ、君が願い事をしてくれ。いつもはどんな願い事をしているんだ?」
「そんなこと君に話すことじゃない。個人的なことに立ち入らないでくれたまえ」
「はいはい。余計な詮索はしませんよ。それより早くお願い事をしてくれたまえ。この神様に」
「君、そういう態度は神様に失礼じゃないかね」
不承不承ながらも、彼は神様に願い事をした。柏手を打ち、祝詞を唱える。
「何を願ったのかね?」
「個人的な話だと言っただろう」
「だが、結果が分からなければ僕にも証明しようがないぜ」
「君が誰かに喋るかもしれないじゃないか」
「そんなことをするもんか。僕たちは親友じゃないか」
「信じられるものか。さっきだって僕のこと馬鹿にしたじゃないか」
「話してくれ。お願いだ」
長い口論の末、とうとう一発の銃声が鳴り響いた。苦悶の表情を浮かべて、ゆっくりと倒れていく一人の科学者。
「ど、どうして。お願いしたのに・・・」
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