本編

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 もう一度、緑川に来る前に、事故死してしまった。だから……この影は、けいくんそのもの。  けいくんがわたしにとってのすべて。けいくん以外、なにも、いらない。 「危ないからどいてろ」白い、炎が霧生総司くんのからだから立ち上る。が、わたしは、「いやだ!!」と絶叫した。 「けいくんは……わたしにとって大切な友達なのッ!! 友達を消去するとか言わないでッ!!」 「おまえ……」整った顔を歪める霧生総司くん。「そいつが、成仏できなくても、いいのか?」  返答に窮した。こうしているのがけいくんにとっての幸せ――と、思い込んでいたが。もしかしたら、けいくんの幸せは、違うところにあるのかもしれない。迷いが生じた。そこを、―― 『実奈帆ちゃんをいじめるなぁあ!!』 「ぐはっ」影が、霧生総司くんのほうへと伸びていき、嬲る。影が、殴る。そのさまにわたしは戦慄した。「違う……違う違う違う、けいくん!! 霧生くんを攻撃しないで!!」 『実奈帆をいじめるやつはおれが許さないッ!!』黒い影が動き、血を撒き散らす。『ずっと……ずっとずっと実奈帆を、守るって、おれは……決めたんだッ!!』
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