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ほんとうに開かないのだろうかと試しに瓶のコルク栓を引っ張ったら――なんと、あっさり抜けてしまった。
「わっ!」
「開けた!」
指を突っこんで中身の紙を引っ張りだすと、それは六人の男性とひとりの女性が写った白黒写真。全員揃って汚れた顔で弾けるような笑みを浮かべている。こっちまでつられて笑顔になるくらい。
「ふふ、すごく楽しそう。この人達は一体どこの誰なんでしょうね」
言いながら右を見たら、すぐ隣にいたはずの骨董さんの姿がない。
店の奥に行ってしまったのかと、そのまま真後ろを振り返ったら、さっきまでわたしを取り囲んでいたありとあらゆるがらくたが一切合切消えている。
驚いて、左に向き直る。さっきまで壁があった場所に、壁がない。
それどころか手にしたガラス瓶も、写真もない。
混乱する頭の中にとつぜん知らない風景が流れこんできて、わたしはぐるぐると気が遠くなるのを感じた。
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