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「今日のネカフェ代、ゲットじゃん」
美月が路地裏から帰ってくると、早希はブティックホテルの塀に預けていた身体をゆっくりと起こした。
「冗談じゃないっすよ」
美月はしかめっ面となる。
「あのクソリーマン、顔にかけようとしてきたんっすよ。
取り敢えずキレたら、そのままどっか行ったから助かりましたけど、どういう発想したら、そんな考えになるんっすかね」
「多分、変な動画の見すぎなんだろね」
早希はケラケラと笑うと、何かしらのセンテンスを人差し指でフリック入力していく。
「姉御、昨日はまたホストっすか」
美月の問い掛けに、早希は「うん」と頷く。
「ホームレスやりながら、よくホスクラに通えますね」
「やめらんないんだよねぇ」
「今まで、ホストにいくらつぎ込んだんでしたっけ?」
「イッセンマン」
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