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●本当のアタシ
──翌朝、美月が目を覚ますと、目の前には安普請特有の薄茶色のブティックホテルの天井が全面に広がっていた。
むず痒いバストトップ、じんじんと仄かな痛みを発する下腹部の秘裂。
昨日、コチラの都合も考えず、クソ男がエロ動画そのままに右手で激しい前戯を行ってきたせいだ。
能天気に「凄く、いい反応するねぇ」と、クソ男は言ってきたが、その凄い反応をコチラが見せてやってるのにも関わらず、何故あれだけ激しい前戯を行ってくるのだろうか。
傍らで寝ていたクソ男は目を覚ますと、「美月ちゃん、昨日はビクビクもんだったねぇ」と、下卑た笑みを浮かばせてきたが、美月は愛想笑いを返すのみで、言葉を返そうとはしなかった。
「いつも、あそこにいるの?」
美月のバストトップを弄びながら、クソ男が鼻息荒く尋ねてくる。
「……たまに、ね」
「生はダメなの?」
「ダメ」
「3つ、払うから」
「……ダメ」
美月はごまかすように男の身体をハグし、顔を男の胸元に預けた。
「昨日、花火大会があったから、ちょっとテンション高くなって違う花火を上げたくなっちゃったんだよねぇ」
男の下らないジョークに、美月は作った笑い声を洩らすと「また、見かけたら声掛けて下さいね」と付け添え、男の胸元にキスをした。
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