シロとまなか

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シロとまなか

7e3ad6c0-da28-48a1-8cd3-ce720b0f90c1 張り付く背中はシロの鼓動で揺さぶられる 顔が見たいと言ったのに シロは頑なにそれを拒んだ 後ろを向こうと身体を捻ると 奥の、またその先を抉られる 声にならない声を上げた 汗がぶわりと吹き出した ベッドの上を這う腕が汗で光る 大きな手はまなかの背中に沿って シーツを掴む手の上に重ねられた 浅い息が行き交う 愛おしさが込み上げる うなじに唇を落とすと まなかはまた、身体を捻った 目尻に溜まった涙が ゆらゆらと揺れている 切なさに煽られて、唇を寄せる 蕩けた舌を絡ませると また腰元に強く響いて膝が笑う 俯いて息をするまなかは少し苦しそうだった 名前を呼ぶと、だめ、と言われた 愛しさに、何度も何度も身体を揺する もう全てを飲み込んでしまいたかった お願いと、小さく呟いた この声に抗うことはできなかった 顔を見せると、桃色の頬を緩ませる 奥へと誘い込まれたのが分かった 離すまいとするまなかの思いの中で シロは奥深くとどまった 吐き出される欲望は波打ち まなかを責め立てた 腹に手を回すと まなかの熱は濡れた糸を紡いでいた 汗ばんだ背中とシロの胸はぴたりと重なって 熱で浸しあった後の余韻を味わった 終わり
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