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プロローグ〜red〜
ネオンの中、その女のハニーゴールドの金髪が揺れる。
床から突き出したポールに艶かしく絡みつく見事に引き締まった肢体はフロアの男女関係なく視線を引き付けている。
ショーの目玉である、魅惑のポールダンス。
トップパフォーマーであるRENの舞台であるから、歓声もひとしおである。
舞台袖から見守る男、オーナーの井口は満足そうに唇を上げて笑う。
「さすが、俺の女。」
舞台を終えて井口の側に寄るレン。
「お疲れ様です、オーナー。」
「あぁ。
送るけど。どう?」
車のキーを右人差指に引っ掛けて提案する男に、
「いい。大丈夫ですから。」
やや素気ないとも取れる反応を返す女。
「なんだ。折角、人が誘ってるのに。」
「結構です。」
「切な…」
ガックリした表情を包み隠さないオーナーにレンは言う。
「オーナー、幾ら戴けるの??」
「お前は、殴るぞ。」
左手を拳作って威嚇するフリをする井口にレンは笑う。
「しょうがないですね、付き合いますよ。送ってください。」
「…、おぅ。」
従業員出口から二人が出る際には、スタッフ達から頭を下げられるがレンはその感覚になかなか慣れることが出来ない。
少し歩いて駐車場に着くと井口は問う。
「どこか、寄りたいところは?」
「どこも開いてないですよ、こんな時間に。」
半ば呆れながら返すレンに井口はシュンとなり、
「お前の料理、食いたかったんだけどなぁ」
と宣う。
「わ、わかった!わかったから、じゃあ、24時間営業のスーパー寄って!」
現在深夜3時である。
レンは井口に気付かれないようにそっと溜息を吐く。
「まぁ、そう落ち込むな。今夜もサービスするぞ?」
「…頼んでないけど!」
やや赤面しながら言い返すレンの頭に手を乗せてヨシヨシと撫でる。
「お前はよくやってくれてるよ。」
「え…、はぁ、ありがとう、ございます。」
井口はレンの唇にそっと自身のものを重ねた。
「んっ。」
身じろぐレンの後頭部を捕まえて舌を差し込む。
「っ!」
両腕で井口の胸板を押し返すが、ピクリともしない。
急なことにパニックになるレンをようやく解放して満足気に笑う井口。
「…、私、その顔きらいよ…!」
悔しそうに俯くレンの首筋を軽くなぞりながらエンジンをかける。
「今夜も優しくするからな。」
ゾクリ。
と、レンは体内を駆け上がるナニかに顔を歪めてしまう。
それを見逃さない井口がまた笑う。
「なに想像した?」
「っ、なにもっ!」
「なぁ、ココで食っていい?」
「えっ?ここで??」
「こっち来い。」
右腕を引かれ、運転席の井口の上に乗せられる。
「「………。」」
見つめ合うこと約3秒。
「良い女ぁ。」
腰に腕を回し、引き寄せる。
「やめて。恥ずかしいから。」
「はー、そう?」
自身の右手をレンのショーツの内に忍ばせる。
「ちょ、ちょっと待って。シャワー上びてないのっ!」
「知ってる。」
「しかも、そもそも車内でシたことないしっ、」
焦るレンの割れ目に指を食い込ませる。
「ぁっ!」
「濡れてるなぁ」
「ちょ、待っ、ぁ」
卑猥な音と共に蠢く指。
「大丈夫そうだな。」
よいしょ、とズボンのチャックを下ろして自身の雄を重力に従いレンの秘部に押し付ける。
「あっ、あっ、あ…っ!」
急な挿入に対して息も絶え絶えになっている様子だが気にすることもなく、腰を揺らしていく。
「あっん…、待っ」
「待て、待てって煩いんだよ。黙って喘いでいろ。」
「〜〜〜っ!」
容赦せずピストンを早めていく井口に反抗するように身を離すレン。
「おい。」
レンの両腕を掴んで拘束する。
「わかったってばっ!もう反抗しないからっ!離して!…ひっ」
「離さんよ。」
「ああっ!あっ!あっ!っ!!」
「お前は本当、可愛い奴。」
黒塗りの国産車が揺れ終わる頃には朝日が差していた。
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