欲望

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そんなことを考えていると、段々おかしくなってきた。 明日のランチをこんなに楽しみにして前の晩から考えるなんて、何ておバカで何て幸せなんだろう。 ははっ。我ながら脳天気過ぎるな。 さて、明日は明日。今晩のおかずは何にしようか… 冷凍庫を開け、ざっとチェックする。 …今日はこれにするか。 下味を付けていた鶏肉を取り出し、解凍していく。 じゃがいもと人参、さつまいも、それと冷凍してあったブロッコリーを和えて温野菜サラダにでもするか。 あとは、味噌汁と…そういえば漬物も残ってたよな。 メシの前に風呂に入ってゆっくりしよう。 湯船にたっぷりと湯を張って、入浴剤は“ゆずの香り”を選んだ。 着ている物をぞんざいに脱ぎ捨てて真っ裸になり、開放感に浸る。 いつもより念入りにトリートメントまで終えると、お湯が溢れ出すのも全く気にせずに、ざぶりと肩まで浸かった。 「はぁっ……気持ちいいーっ…」 これこれ。これだよ。 日本人に生まれてよかったと思う瞬間。 そうだ!夏のボーナスで何処か近場の温泉にでも行ってこようかな。 恋人も誘うひともいない俺は…勿論で。 いや、待てよ。大畑達を誘ってもいいかもしれない。 Ω専門の宿泊施設があるもんな。 万が一の不測の事態の備えが万端なのだ。 とうとう俺もそんな所を利用するようになっちまったんだな。 ちょっぴりセンチになりながらも、あとで検索してみようと思った。 もうこれ以上はぶっ倒れる、というのぼせる寸前まで湯に浸かり風呂を堪能した俺は、汗が引くまで“腰にバスタオル首にタオル”という他人が見たら小っ恥ずかしい格好で夕食の支度をして、完食した。 結局、片付けもそのままの格好で済ませ 「ははっ。たまには裸族もいいもんだ。」 なんて言いながら、タオルを履き剥いでベッドに潜り込んだ。
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