U&I 1

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U&I 1

 翔は、現代においても平安時代においても「家族」をもった。源氏のためにである。源氏を遺し、自分が先に逝ったときのためだ。子供をもてない同性愛者だからだ。  そして、「今このとき」を源氏と共に目一杯美的に快楽至上主義に生きようと決心した。カトリック信者の翔は「人生一度きり」なんである。  朝から晩まで、翔は「源氏一色」で暮らす。それは源氏も同じだった。眠っているときですら、である。お互いがお互いの「快楽と美」を全てに優先する日常、である。
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