男の秘密

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男の秘密

「明日-黒づくめの男の事で話があるんだ」 春彦はたった今、愛に怒鳴ったばかりなのに愛に そう言った。 愛は「私も黒づくめの男の事を知りたい。でも 春彦私は何もかも思い出したの……いろいろとね だから今、春彦から話を聞く事にする。 このホテルの目の前の喫茶店は確か24時間営業だったわね。そこで話を聞くわ」 「何で明日じゃ駄目なんだよ!俺が明日だと言えば明日なんだよ!」 愛は言った。 「春彦に意見を言うと誰もいないところで春彦は 私に暴力を振るうわ。でも今私が指定した喫茶店は夜でも繁盛している店だから春彦は私に手を出せないからね」 春彦は「わかった。大事な話だこのホテルの目の前の喫茶店に行こうそこであの男の話をするよ」 二人は道路を挟んだ目の前の「喫茶24時間」に移動をして愛はホットティを頼み春彦はホット珈琲を 頼んでから春彦は愛に話を始めた。 「愛、僕はあの黒づくめの男を昔、見た事があるんだ」 愛は「えっ?いつ?」 春彦は話をつづけた。 「あれは~まだぼくが小学校低学年の時お正月~ いつもみたいに親戚の家に集まったんだ~従兄弟も沢山いてね。カルタをして遊んでいた時、同じ歳の従兄弟の忍っていう名前の子がいたんだ。その子がなんだか元気がなかったんで、どうしたの?元気がないみたいだけど?そう声を掛けたら全身黒の男がいつも僕を見ているって言ったんだ。 その時は気のせいだよって言って皆笑っていたんだけど。外で皆で公園をバックに写真を撮ったら  ずーっと後ろに小さいけど写っていたんだよ。 あの黒づくめの男が。 それから忍は怯えるようになったんだ。家が近所だった忍は僕とよく近所の公園で遊んだんだ。その時母が撮った写真がこれだよ。この五枚の写真の全てに黒づくめの男が写っているだろう?」 愛は聞いた。「忍君は今どうしてるの?」 春彦は言った。「突然元気だったはずの忍は原因もわからないまま亡くなったよ。近所の土手で倒れているところを発見されたんだけど、警察も医者も原因がわからないと首を傾げるばかりだった」 愛は「じゃあもしかしたら黒づくめの男は~こ、ろ、し屋なの?」 春彦は言った「僕はそうだと思う」 「そうなんだ~やっぱり~春彦~お願いがあるの私と別れて。何も言わず黙って別れてお願い」 春彦は言った「それは出来ない。今さら別れるなんてカッコ悪いし、高校の友人になんて言えばいいんだよ。美人と付き合って凄いと言われてるんだから。恥ずかしくて別れられるはずないだろう?俺に従順な奥さんになるんだろう?」 愛は言った。 「もう一度言うね。私と別れて」 春彦は「絶対に嫌だ」そう言った。 愛は「なら仕方ないわね」そう言って喫茶店を出るとタクシーを捕まえて一人で帰った。 春彦は一人喫茶店にいた。 「俺が振られる筈ない。何かの間違えに決まっている」一人で春彦はぶつぶつ言っていた。自分が振られた事を春彦は認めようとはしかった。
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