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両親の秘密
春彦の親戚の忍君が亡くなったと言う話を愛が両親に話すと愛の両親の顔はみるみるうちに青くなっていき震えているように見えた。
「どうしたの?お母さん忍君の事を知っているの?」
愛の両親の田名部隆志と田名部真子は言った。
「愛~実は……お前に隠していた事があるんだ。
私達は昔、殺し屋を夜だけやってたんだ~。
悪い事だとはわかっていた……辞めたいって何度も思っていたんだ……。お父さんとお母さんの実家は代々稼業が殺し屋なんだよ。
お父さんとお母さんはその組織で知り合ったんだ。愛に恥ずかしくない人生を歩きたいと思って何度も愛のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんを説得したわ。
そしてやっと足を洗わせてくれた。
でも、最後の仕事を引き受けたら殺し屋の仕事は
もうさせないと~。その仕事が忍君の~仕事だった~私は愛と同じ歳の子供を殺すのは嫌だと言ったの。でも、これで最後だと言われて。
組織に逆らうと愛が殺されてしまう~だから私達は最後の仕事を泣きながら引き受けたの」
愛は聞いた「何で?まだ小学生の子供を~そんな依頼なんてあるの?」
田名部隆志と田名部真子は言った。
「遺産相続よ。それで、あんな子供まで~」
愛はこの時、初めて両親の秘密を知った。
「それじゃあ殺し屋の依頼って?」
愛の両親は言った。「そうよ。昔の組織の仲間よ。そうじゃなければこの筋の人を見付けられないからね。愛、レストランに殺し屋に呼ばれたそうだけど、打ち合わせは一週間後の夜、うちに来て貰う
ことにしたから。今までの出来事の説明もその時に全て話すから」
愛は震えながら両親に言った。
「何で、そんなに平気なの?私は震えが止まらない。お母さんとお父さんがそんな恐ろしい組織に
昔、いた人だとは思わなかった。怖いし、恐ろしい……」
両親は愛に言った。
「殺し屋の組織にいたからどんな事にも動じなく
なってしまったのかもしれないね……」
愛は両親の顔をなかなか見ることができなかった。
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