一週間後

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一週間後

愛は19時に自宅で待っていた。テーブルには母が 手作りで用意してくれた。のり巻きやサラダや から揚げやフルーツが並んでいた。 約束した時間に玄関のチャイムが鳴った。 愛が玄関を出ると黒づくめの男が立っていた。 愛は「お待ちしていました。どうぞ中に」 そう言って夕飯が用意してある食卓に招き入れた。 愛は「両親から聞きました。名刺に書いてあった お名前は本名ですか?遠藤鈴夫さん?」 黒づくめの男は言った。 「あれは、レストランスミレの従業員の名前ですので違います。本名は如月龍神と言います」 「そうなんですね。今、お茶を入れますね。 夕飯を食べながら全てを話してください」 如月龍神は愛がお茶を入れて食卓に着くのを待っていた。 「はい、どうぞお茶が入りました。のり巻き  から揚げ サラダお好きなものをそちらのお皿に入れて醤油もここにありますから食べながらでいいのでお話を聞かせてください」 如月龍神は愛に言った。 「今まで少し怖がらせてしまい申し訳ありませんでした。でも、ご両親にこれも依頼されていたので」 「えっ?父と母に?どういうことなの?」 「愛さん、君は初めのうちは春彦と別れたいと思っているとご両親に相談していたよね? 君も何度も春彦に別れ話を切り出した。 でも、春彦はその度に君に怒鳴っていたらしいね。そのうちご両親に君はおかしな話をしてきたそうだ。 ご両親が彼とは別れたの?そう聞くと愛さん君は 春彦と?私が?私は彼を愛してる。 将来は結婚したいねという話もしているし、 高校時代から彼の事が好きだった。だから毎週末のデートが楽しみなの。 そんな私が彼と別れるなんて事考えた事もないわ。そう言ったと私はご両親から聞いていたんだ。 そうですよね?田名部隆史さん真子さん」 田名部愛の父親の隆史と真子は頷いた。 そして、更に黒づくめの男 本名如月龍神は 話を続けた。 「愛さんのご両親はそれから何度も愛さんに恋人がすぐキレるから別れたいと言ってたでしょう? 別れてくれないと泣いていたじゃないの? そんな人と結婚してもろくな事ないわよ。 そう話すと、愛はまるで怒鳴られた記憶がなくなったみたいに私の彼は素晴らしい人よ私が怒鳴られるとすれば私が悪いからなの……彼は悪くない彼は私を愛してくれて大切にしてくれる。 私も彼を愛してる……そう言ってまるで恋人に洗脳されているようだったそうですよ。 だからご両親は私にまず愛を見張っていて欲しいと依頼したんです。私はいつもこっそり愛さんの デートを見ていました。人がいないところで愛さんに暴力を奮っていた愛さんの彼の事もね。 その事を私は、ご両親に全て話しました。 そしてご両親は私に言ったのです。愛はやはり、 洗脳されてる。まずは洗脳を解いてほしいと…… 洗脳を溶いてから恋人を殺してほしいと……」 愛は如月龍神に尋ねた「洗脳を解くようにと?父と母が?」 如月龍神は言った。「そうです。だから私は洗脳を溶く為にあの日、横田春彦さんが田名部愛さん宅に向かっている途中に田名部愛さんの自宅の玄関を叩いたりアイスピックで玄関のドアを傷つけて愛さんを驚かしたのです」 愛は不思議そうな顔をして如月龍神に聞いた。 「何で?洗脳を解く為にそんな事するんですか?」 如月龍神は言った。「何故なら愛さんあなたがデートを断った時に迎えに来た横田春彦はいつも田名部愛さん自宅の玄関のドアを叩いた。そしておい! お前~愛、早く出て来い!そして、まだか~そう言って春彦はアイスピックで田名部家の玄関のドアを傷つけた。いつも、いつも~そして、愛さんは毎回横田春彦に怯え体調が悪くても仕方なくドアを開けデートをしていた」 愛は驚いた。 「アイスピックのドアの傷を見てきます」 如月龍神は「そうしてください。私も行きます」 愛は如月龍神に聞いた「この傷はまだ新しい方だから如月龍神さんが付けたもの。でも、古そうな傷がたくさんあるのは~やはり春彦のもの~じゃあ春彦のアパートのぼやも?如月龍神さんがやったの?」 如月龍神は愛に言った。「あれはねアパートの管理人さんにいつもの月収より倍のお金を出してぼや騒ぎを起こしてもらったんだよ。 私の存在を知らせる為にね。 それが最後の忠告だった。 愛さんを大切にしてさえしてくれれば、 殺し屋の仕事はしないとご両親との約束だったからね。でも彼はその後、愛さんに暴言を浴びせていた。ほんの些細なことだったのが~私は両親に その事を正直に知らせたんだ。 そしたら愛さんのご両親は言ったんだよ。じゃあ 本格的にお仕事の依頼をお願いしますと……」 愛は言った。「じゃああの春彦のぼや騒ぎは、管理人さんに頼んだんですね。まだ聞きたい事がいくつかあるんですが~あの春彦のぼや騒ぎの後タクシーに乗ったんですが~あのタクシー運転手が妙な事を言ってたんですが~あのタクシー運転手さんは如月さんのお仲間ですか?」 如月龍神は言った。「僕の御客様ですよ。昔、妻を殺してほしいと頼まれましてね。ちょっと言葉を変えて愛さんと横田を驚かしてほしいと頼んだんですよ」 愛は「わかりました。じゃあ今までのことはうちの父と母に依頼されてやっていたと言う事なんですね。そろそろこの後の如月龍神さんのお仕事の打ち合わせをしましょう。私からも如月龍神さんに両親と同じ依頼をします」 如月龍神は「わかりました。ご依頼ありがとうございます。私の本業の名刺はこちらです」 愛は名刺をもらった。 「あなたの為の会社 幸せお届け会社 如月龍神詳しくは下の電話番号まで」 田名部隆史 真子 愛は 「仕事の打ち合わせをそろそろ始めましょう」 そう言った。
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