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謎の男
愛は部屋の中で震えていた。
春彦が早く来ないかと願いながら……。
しばらくすると外の物音がしなくなり静かになった。
そして再びチャイムが鳴った。
「愛~春彦だけど~何かあったのか?この玄関ドアの傷はどうしたんだ~?愛~大丈夫なのか~愛~いないのか~」愛はまだ震えが止まらずなかなか玄関まで行くことができなかった。
やっとの思いで玄関まで辿り着いた愛は玄関を開けた。「春彦~」愛は泣きながら春彦に抱きついた。
「どうしたんだ?いったい何があったんだ?愛
落ち着けよ~話を聞くよ」愛は春彦を部屋の中に入れた。
春彦は「愛キッチンかりるよ」そう言うと愛に
キッチンのコップに水を入れて渡した。
「愛、水を飲んで落ち着いて、何があったのか話してくれ」
愛は今までの事を春彦に話した。
春彦は「そうか~そんな事が~今度二人で会った時にその男がいたら教えてくれないかな?」
愛はゆっくり頷いた。
「愛~ご両親は?仕事なの?」
「もうすぐ帰って来るけど仕事なんだ~」
「そうか~ご両親が帰って来るまでいるよ。ご両親に事情を話さないと~愛が危ない目にこれからも会うかも知れないから」
春彦は愛の両親が帰ってくるのを待っていた。
その時、チャイムが鳴った。
「ご両親かな?よかったね」
そう言って震えている愛に代わって春彦が玄関に向かった。
その時、愛は春彦に言った。「待って春彦~まだお父さんとお母さんの帰って来る時間じゃない。まだ30分も早い」春彦は「週末だからいつもより早くなったのかも知れないよ?」そう言って玄関の小窓から春彦は覗いた。そこにいたのは愛が春彦に話した通りの全身黒づくめの男だった。
「お、お前!」春彦は部屋の中に入り愛に言った。
「愛、今日は危険だ窓から二人で逃げよう」
春彦は愛の手を掴んで走った。ただひたすらに自宅にいると危険だと感じて……窓から走って逃げていた……。黒づくめの男から春彦はただただ~愛を
守りたい為だけに……。
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