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逃げても
春彦は愛の手をしっかり握って黒づくめの男から逃げる為必死に走った。
走って行くと愛の家の近くのマンションの影に隠れた。
後ろを振り向くと「もういないみたいだな」
そう思い安心すると今度はいつの間にか愛の横にいた。
春彦は近くのタクシー乗り場からタクシーに
乗り込んだ。「愛とりあえずうちに行こう」
春彦は独り暮しをしている自分のマンションへ愛を連れて行った。そして愛の両親へは愛の携帯電話で
事情を話し家に帰るのは危険だと話した。
二人はタクシーに乗ると30分くらいで春彦のマンション近くに着いた。
「愛、ここまで来れば安心だよ。このエリザベーデマンションの305号室が僕のマンションだよ」
春彦は愛に言った。
春彦が新らしいマンションに引っ越してから愛は
まだ一度も春彦の新しいマンションに来たことがなかった。
マンションの中に入ろうとするとマンションの管理人に春彦は呼び止められた。
「今、私も三階に行こうと思うんですが……なんか三階だと思うんですが~変な物音がしたんですよ~とにかく行ってみないと分かりませんが~」
「そうですか~変な音が~とにかく管理人さん
一緒に行きましょう。泥棒だったら大変ですから」
そう管理人に言った春彦だったが、春彦と愛は
嫌な予感しかなかった。
春彦と愛と管理人の三人はエレベーターに乗って
三階に行った。
すると、春彦のアパートの305号室の玄関の下から煙が出ていた。
「管理人さん消火器消火器早く!」
「わかりました。今持って来ます」
もしかしたら?謎の男がここまで来たのか?
二人は不安と恐怖で頭が一杯だった。。。
そして愛は思ったあの黒づくめの男は私だけじゃなく二人に恨みを持っているのかも?知れない。
あの男はいったい誰なのか?
その時、春彦は言った。
「とにかく消火器で煙を消そう」
管理人と春彦は煙を消して春彦の家に入った。
春彦の部屋の中はめちゃくちゃに荒らされていた。
火事は軽いぼやでずんだ事に心底三人はほっとしていた。
「警察に電話しましょう」管理人は春彦にそう言うと携帯から警察に電話を掛けようとしていた。
春彦は「それは止めてください」管理人に言った。
「何で?止めるんです?危なかったんですよ?」
春彦は「愛~警察に電話しても黒づくめの男は
たぶん捕まらないと思う。あの男は危険で危ないんだよ」
管理人と愛は春彦に聞いた「危険で危ない?何か知ってるの?危ないならなおさら警察に~」
「俺は、今日はっきり見たあの男をまだ小学低学年の頃に一度だけ見た事があるんだ。
あの男は本当に恐ろしい男なんだ」
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