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一週間後
あれから一週間二人には何も起こらなかった。
このまま何も起きなければいいと信じていた愛と
春彦だったが春彦は黒ずくめの男がまた自分達の側に来るかも知れない……そんな思いが心の片隅にあったのだった。
何故なら春彦は男の正体を知っていたからだ。
でも、春彦は誰にもその事を話せずに過ごしていた。今日この日、春彦が愛を新宿ディナークルーズカンパニーホテルの一階のレストランに呼んだのは愛に全てを話し、愛にプロポーズをする為だった。
あの日、春彦はタクシーで愛を送った後、自宅に戻ると自分の部屋を片付けた。煙が出ていた部屋は誰かが侵入していた形跡があり、本棚が倒れていてゴミ箱がめちゃくちゃに荒らされていた。
何かを探していたのだろうか?春彦はその時、
あのタクシー運転手の事を思い出していた。
もしかしたら?あの黒づくめの男に狙われているのは愛じゃなくて僕かもしれない。
春彦は新宿ディナークルーズカンパニーホテルの一階に急いだ。
黒づくめの男の話を全て彼女に話す為に。
黒づくめの男が僕の命を狙うとしたらプロポーズの後だろう。僕に危害が及べばきっと愛はあんなに怖い思いをしなくても済むはず。
僕は愛が誰かと結婚しても幸せでいてくれたらそれでいい。。。
約束の一週間後の土曜日18時50分僕は新宿ディナークルーズホテルに着いた。
愛にプロポーズをする為に黒づくめの男の正体を話す為に僕は一階のレストランに向かった。
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