某、カシマと申します。

2/7
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
 私、「ひな」。ブラック企業に勤めるさえないOL、27歳。  ほったらかしの黒髪はボサボサ。疲れきった顔はクマさん常駐で老けこみ、つけられたあだ名は「にわとり」。  陰口で使われているのは気付いてました。  ──我慢してきましたけれど。  部長の「これお願いね。にわとりさん」でキレてしまいました。そりゃもうプツリと。  人間キレたら何するかわからないとは噂で聞いていたけれど、まさか悪魔を呼んだら合法ロリになるとは思いませんでした。はい。 「回想終わりました?」 「おかげさまで」 「では、改めまして自己紹介を」  とっ散らかった部屋の真ん中で、まるで喪服のように黒尽くめの悪魔はうやうやしく頭を下げた。 「(それがし)、名をカシマ。悪魔です」 「あ、これはどうもご丁寧に……」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!