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〜〜〜
「あー、びっくりした。美樹さん、子どもいたのかと思った」
ゆうちゃんを連れてお店に入ったので、絢香さんは腰を抜かすかと思うぐらい驚いていた。
「しかもさー、のんちゃんに似てるじゃん。二人の子どもでも違和感ないね。ゆうちゃん、ジュース飲む? オレンジかな? りんごかな?」
絢香さんは子連れでも嫌な顔せずに対応してくれた。
希望はゆうちゃんに会えて喜んでいたけど、お店に悪いから一杯だけ飲んで帰ろうと言った。焼き鳥や唐揚げをお土産で頼んで、希望の実家にまた戻ることにした。
帰り道に、希望はゆうちゃんを肩車していた。身近でこんなことする人はいないだろうから、ゆうちゃんは凄くはしゃいでいた。
〜〜〜
ゆうちゃんが寝た後、私たちは帰ろうとしたら、お母さんに泊まっていくように言われた。
お風呂に入らせてもらい、希望の部屋に行った。希望は部屋で布団を用意してくれていた。
「布団敷いてるふりしてるけど、使わないよねー」
希望はニヤけてる。
布団には入らずに、希望のベッドに腰かける。軽く抱き合ってキスをした。
「希望、今日一日お疲れ様。大変だった?」
「うん。疲れたよ。でも今、美樹とチュー出来たから元気出た」
そしてまた抱きしめられた。
体が冷えるからベッドに入ろうと、二人でベッドへ。私はいつものように希望に腕枕してもらってくっついた。そして、今日あったことを話した。
「さっきゆうちゃんにね、うちに赤ちゃんがいるのかって聞かれてドキッとしちゃった。上手く答えられなかった」
「美樹、妊娠してるの?」
「そんなわけないでしょ」
「たぶん、恵の周りも出産ラッシュだから、ゆうちゃんもたくさんの赤ちゃんに会ってるんじゃないかな。だからどこでも赤ちゃんがいるもんだと思い込んでるんじゃない?」
「そうか……なら良かった」
「だけどさ、あれくらいの歳の子って、そういうの予言する時あるじゃん。何かわかるんだろうね。もしかして美樹……」
「私、妊娠するの?」
「……エッチしたいんじゃないの? アタシと」
「……もう……希望」
「帰ったらいっぱいしようね」
ゆうちゃんが言ったことが予言のようなものだったら、あながち間違ってはいない。ゆうちゃんと過ごしていて、自分の中に母性が生まれたように思えたのだ。それを読み取られたのかもしれない。
希望の腕の中に収まっていた私は、希望の顔を手で引き寄せキスをした。
希望と一つになりたいと思っているのも間違いではない。ただ、希望が悪い顔をしてそう言ったことが何だか悔しかったのだ。
「美樹、愛してるよ」
必ずそう言ってくれるから許してあげよう。
「私も愛してる」
帰ったらいっぱい愛してもらおう。もう一度キスをして、希望の腕の中で眠った。
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