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ここで働いていれば、職員用の住まいもタダだし、毎食賄いが出るから食べるのにも困らない。
そんな生活を続けて早数年。
慣れに慣れきって、ほとんどノーメイクの私は学生達から見れば一人前の食堂のおばちゃんである。
それなのに―――
「好きです」
突然、九つも下の男子学生に告白された。
味噌汁のお椀を手に持ったまま笑顔で固まった。
学生同士で賭けでもしてる?
それとも私を笑わせようとしているのかも?
なんにせよ、私をからかってるわよね。
うん、絶対にそう。
私に告白してきた相手は狼の獣人で名前は狼谷泉地。
なぜ私が一年生の彼をすでに知っているのかと言えば、彼が有名人だからである。
入学したばかりなのにランクはSクラス。
エリート中のエリート。
マリアステラ学園は成績ランキングに応じて学内での待遇が変わる。
SSからSクラスは使う学食も寮の部屋も一般の学生とはまったく違う。
今年、入学してきた獣人の中でも将来を有望視されている。
すでに二年生や三年生の獣人達は彼から一線引いているのが私の目から見てもわかるくらい。
彼に笑顔を向けながら、私は心の中で。
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