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「はい、みっちゃん。コーヒーに砂糖をとミルクを入れたよ」
「ありがとう」
砂糖を受け取って二杯目の砂糖をプラスすると古株のおばちゃんがなんとも言えない顔をして、私を見ていた。
「みっちゃんは言うことは辛口なのに食べるものは甘口だね」
「別にいいでしょ。頭に糖分をあげてるのよ」
よけいなお世話とばかりに甘いコーヒーを口に含んだ。
だいたい甘くしちゃ駄目っていう法律はないのよ!
とはいえ、私は紅茶のほうが好きでよく飲む。
でも、学食のセルフにはコーヒーかほうじ茶しかないから、紅茶という選択肢はなかった。
「一年生に優秀な獣人達が大勢入って来たらしいよ」
「首席入学は獣人の王に君臨し続けている獅央の御曹司だってねぇ」
「はー。さすがねぇ」
「これから、三年間の波乱は覚悟しておくんだね。獅子の獣人が入学すると学園が荒れる」
さっきまで全員、わいわいと楽しく話していたのに古株スタッフのその一言でしんっと静まり返った。
「獅央家が入学すると荒れるの?」
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